中村栄一教授、紫綬褒章受章

 理学系研究科・化学専攻の教授であり、当GCOEのリーダーでもある中村栄一教授が、2009年秋の紫綬褒章を受章されることとなりました。紫綬褒章は「学術、芸術上の発明、改良、創作に関して事績の著しい方」に贈られるもので、当GCOEからは2003年秋の藤嶋昭特別栄誉教授、岩澤康裕・現電気通信大学教授に続く受章となります。

 中村教授の業績は以前にも紹介した通りで、有機金属化学・フラーレン科学・計算化学など多岐に渡ります。近年ではそれらの研究を足場に、フラーレンをベースとする有機薄膜太陽電池有機ELなどの新規な材料科学でも大きな実績を挙げている他、ナノチューブ内部に小分子を閉じ込め、電子顕微鏡でその動きを観察する技術を開発し、世界に衝撃を与えました。

 また今回は上村大輔教授(慶大理工学部)・福山透教授(東大薬学部)・細野秀雄教授(東工大セラミックス研究所教授)と4人の化学者の同時受章となり、化学界にとって非常に喜ばしい秋となりました。今後のさらなるご活躍を期待するとともに、若手がこれに負けないよう切磋琢磨することで、日本の化学を盛り上げていくことを願うものです。