2010-01-01から1年間の記事一覧

明治の恩人たち

東京大学のマークは淡青と黄色のイチョウの葉を組み合わせたものです。実際、構内はイチョウの木が多く、この季節の晴れた日には秋空をバックに、東大マークそのものの美しいコントラストを見せてくれます。 理学部化学東館付近のイチョウ並木 さてこの付近…

相田卓三教授、紫綬褒章を受章

本年秋の叙勲・褒章において、本GCOEの推進者である相田卓三教授(工学系研究科・化学生命工学専攻)が紫綬褒章を受章することになりました。当GCOEからは、岩澤康裕名誉教授(現在電気通信大学教授)・中村栄一教授に続く栄誉となります。 相田卓三教授 相…

根岸英一パデュー大教授、ノーベル賞受賞

本学工学部応用化学科出身の根岸英一博士(パデュー大学 H・C・ブラウン特別教授)が、「パラジウム触媒によるクロスカップリング反応の開発」により、2010年のノーベル化学賞を受賞されました。鈴木章・北大名誉教授と、リチャード=ヘック・デラウェア大名…

 夢の記録媒体への道を拓く 〜大越研究室〜

その昔、8インチフロッピーディスクなどというメディアがあったことなど、今や知っている人は少ないかもしれません。広げたハンカチほどのサイズがあるそれは、容量がわずか128キロバイトでしかありませんでした。現代のブルーレイディスクではこれよりずっ…

中村優希さんが「ロレアル−ユネスコ女性科学者日本奨励賞」を受賞

科学の各分野において女性の進出は目覚ましいものがあり、当GCOEでも多数の女性研究者が活躍しています。そんな中の一人、中村優希さん(理学系研究科化学専攻、中村研究室博士課程2年)がこのほど「ロレアル−ユネスコ女性科学者日本奨励賞」を受賞されまし…

オープンキャンパス・一日体験化学教室

夏といえばオープンキャンパスの季節ということで、ここ東京大学でも8月5日にオープンキャンパスが、8月9日に一日体験化学教室(日本化学会主催、工学部にて実施)が行われました。ふだんなかなか訪れる機会のない研究の現場が公開される貴重な日であり、高…

加藤隆史教授、高分子学会賞を受賞

本GCOEの推進者である加藤隆史教授(工学系研究科・化学生命工学専攻)が、平成21年度の高分子学会賞(科学部門)を「分子配列と相互作用の制御による機能性高分子集合体の創製」という題目で受賞されました。 加藤教授以前にも紹介した通り、加藤教授は液晶…

藤田誠教授、江崎玲於奈賞を受賞

先のエントリでも登場いただきました藤田誠教授(工学系研究科・応用化学専攻)が、第7回江崎玲於奈賞を受賞されました。 藤田誠教授この賞は、江崎玲於奈博士(1973年ノーベル物理学賞受賞)が理事長を務める茨城県科学技術振興財団およびつくばサイエンス…

 「創発」する分子 〜藤田誠研究室

自然界には、誰の手も加わっていないのに、複雑で美しいかたちが創り出されることがままあります。よく知られている代表的な例は、雪の結晶でしょう。雪粒を作っているのは単純な水の分子であり、ここには酸素原子に水素原子が2つついているという以上の情報…

第10回ZESTYセミナー

第10回ZESTYセミナー 6月2日、化学本館5階講堂にて、ZESTYセミナーが開催されました。このセミナーでは毎回ひとつのテーマに沿った発表者2名を選んで講演を行っており、今回は「Chemistry for Electronics」がテーマとして掲げられました。発表者は工学系研…

 水の新素材・アクアマテリアル誕生 〜相田研究室〜

「優れた研究」の基準というのは人によっていろいろであると思いますが、科学関係の物書きをしている身の筆者には、ひとつ明快な定義があります。「専門家以外の人にも、ひとことで説明できる研究であること」です。実際ノーベル賞級の仕事というのは、「電…

川島隆幸教授最終講義

春分を過ぎ、東大構内の桜もほころび始めました。研究室の引っ越し、卒業式など慌ただしい雰囲気に包まれ、春は別れの季節でもあることを実感させてくれます。そして当グローバルCOE推進者のひとりである川島隆幸教授も、この3月いっぱいで定年を迎えられ、3…

3月6日 ノーベル化学賞記念シンポジウム

3月6日、東大本郷キャンパス薬学講堂にて、「ノーベル化学賞記念シンポジウム 〜大型放射光を使って生体分子を見る〜」が開催されます。当日は2009年ノーベル化学賞を受賞されたAda E. Yonath教授をお招きし、受賞対象となったリボソームの構造解析について…

研究の今後

こうした研究がいったいどう役に立つのか?という質問はよくなされるところです。こうしたケイ素をたくさんつないでいくことで、新たな物性が期待できるかもしれない、あるいは高密度の枝分かれを持った新規物質の創製につながるかもしれない――といったこと…

セレンディピティ

実を言えば、この化合物は狙って合成されたものではありません。他の化合物の合成を目指している最中に偶然にできたもので、いわゆるセレンディピティ型の研究に当たります。三宅さんはもともと、全く別の化合物の合成を目指し、その中間体としてケイ素に負…

阿修羅結合

ところが、川島研で今回合成された化合物は、驚いたことに極めて安定であり、水や空気に触れてもびくともせず、100度以上での煮沸や、室温でブチルリチウムを作用させるといった過激な条件にさえ耐え抜きます。 この新規なケイ素-ケイ素結合に対し、川島研究…

マイナスとマイナスをくっつけた話

電気のプラスとマイナスは引き合うが、プラスとプラス、マイナスとマイナスははじき合う――これは小学生でも知っている、自然界の基本中の基本といっていい大原則です。モーターや発電機など、現代文明を支える機械も、この原理によって動いています。しかし…

1月19日・シンポジウム ”My Dream as a Professional”

1月19日、第3回グローバルCOEシンポジウム「My Dream as a Professional」が開催されました。各国から集まった留学生と、東京大学の学生たちが一堂に会し、それぞれの「夢」を語るというテーマです。また、東大で博士号を取得して活躍する先輩や、海外での研…

1月19日シンポジウム開催

来る1月19日(火)、理学部1号館小柴ホールにて第3回グローバルCOEシンポジウム「My Dream as a Professional」が開催されます。当日は各国から集まった留学生と東京大学の博士課程学生が、口頭発表およびパネルディスカッションの形で、それぞれの「夢」を…