2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ノーベル賞・フィールズ賞受賞者による事業仕分けに対する緊急声明

本日、理学部1号館小柴ホールにて、「ノーベル賞・フィールズ賞受賞者による事業仕分けに対する緊急声明と科学技術予算をめぐる緊急討論会」が行われました。出席したのは小林誠(2008年ノーベル物理学賞)・野依良治(2001年ノーベル化学賞)・森重文(1990…

大越教授・日本IBM科学賞受賞

理学系研究科・化学専攻の大越慎一教授が、第23回IBM科学賞を受賞することになりました。「授賞対象者は、物理、化学、コンピューター・サイエンス、エレクトロニクスの基礎科学研究の幅広い分野で優れた活動を行っている、国内の大学あるいは公的研究機関に…

パイオニア・スピリット

この他にも核酸化学の分野で多くの業績を挙げている小宮山教授ですが、意外なことにこの分野に参入したのは40歳を過ぎてからで、しかも当時は研究する人が極めて少なかったということです。未知の分野だけに、自分の研究のオリジナリティはどの程度なのか、…

PNAを「つっかい棒」にする

前述のようにPNAは、相補的な配列を持つDNAと強く結合してハイブリッド二重鎖を形成し、これはDNA二重鎖に比べても安定です。つまり、適当な配列を持った2本のPNAを二重鎖DNAと混合すると、PNAはDNAの二重鎖をほどいて割り込み、つっかい棒のように二重らせ…

PNAの導入

「ペプチド核酸」(PNA)と呼ばれる化合物があります。ペプチド状のバックボーンに核酸塩基が枝のように生えた構造で、DNAやRNAとよく似た配置をとることが可能です。実際PNAは、相補的な塩基配列を持つ一本鎖DNA・RNAと、水素結合によって安定な二重鎖を形…

セリウムの発見

何とか「優しく」DNAの鎖を切る手法はないものか――。こうした加水分解反応には、しばしば各種の金属イオンが触媒となります。そこで小宮山教授のグループが数多くの金属を試した結果、行き当たったのはセリウム(IV)というイオンでした。驚くべきことに、セリ…

制限酵素とは

現在各分野でDNAの研究・応用が花盛りなのはご存じの通りです。この隆盛に、「制限酵素」が果たした役回りの大きさは計り知れません。制限酵素はDNAの4〜6塩基配列を認識し、その場所で二重鎖を切断します。制限酵素には多種多様なものが知られており、それ…

精確に、望んだ場所でDNAを斬る〜小宮山眞研究室〜

今回は小宮山眞教授の研究室にやって参りました。小宮山教授は当グローバルCOE推進者の中で唯一駒場キャンパスに本拠を構えており、担当者佐藤は初めての駒場行きとなりました。 小宮山眞教授 小宮山教授の専門は核酸化学で、主なテーマは以下の4つです。 (…

夕暮れの東京大学

日が沈むのがずいぶんと早くなりました。東大のキャンパスには歴史的な建物がたくさんありますが、その美しさが最も際だつのは夕暮れ時ではないかと思っています。 総合図書館は1928年の竣工といいますから、80年以上を経た建物ということになります。この外…

中村栄一教授、紫綬褒章受章

理学系研究科・化学専攻の教授であり、当GCOEのリーダーでもある中村栄一教授が、2009年秋の紫綬褒章を受章されることとなりました。紫綬褒章は「学術、芸術上の発明、改良、創作に関して事績の著しい方」に贈られるもので、当GCOEからは2003年秋の藤嶋昭特…