海の怪物分子、捕獲せり 〜橘研究室

水族館という施設は、老若男女を問わず常に人気があるようです。我々が普段見る陸上の世界とは全く違う、素晴らしく豊穣なもう一つの世界を垣間見ることができるからでしょう。 実は分子レベルで見ても、海の生物は陸上とは全く違った世界を造り上げています…

小宮山眞教授最終講義

2012年3月9日、本GCOE推進者の一人である、小宮山眞教授の最終講義が行われました。「化学とバイオの接点を求めて――半世紀の大学生活を振り返って――」という演題にもある通り、小宮山教授は学生時代から含めて46年にわたって研究生活を送られ、そのほぼ半分…

1月16日 キャリアシンポジウム「Take off for Your Dream!」

去る1月16日、東大理学部小柴ホールにて化学GCOEキャリアシンポジウムが開催されました。海外から短期留学生を招き、東大の学生と共に「夢」をテーマに発表、化学者としてのキャリアを考えるという趣旨です。留学生はしばらく日本に滞在し、交流を深めつつ研…

「現代化学」誌に、海外インターンシップ体験記が掲載

冨田満さん(理学系研究科化学専攻・尾中研究室D2)の海外インターンシップ体験記「ドイツの化学企業 BASFで働く」が、「現代化学」2012年2月号32ページに掲載されています。冨田さんは本GCOEの「海外インターンシッププログラム」で、昨年10月から1ヶ月半ド…

1/16 キャリアシンポジウム”Take off forYour Dream !"開催

来る1月16日(月)、グローバルCOEシンポジウム”Take off forYour Dream !"を開催いたします。毎年開催しておりますキャリアシンポジウムの第5回で、今回が最終回となります。当日は各国からきた留学生と、東大化学4専攻の学生の代表が、講演・パネルディス…

研究のこれから

−「今後のイトカワ微粒子の研究はどうなりますか?」 N「今回の分析結果は、あくまで予備調査です。どういう素性を持ったものか、まずは基礎的なデータを取って公開して、来年以降に世界で公募してさらに詳細な研究を行うための布石です」−「だから今回は3粒…

分析結果

−「希ガスのうち、どれがどの程度検出されたのでしょうか」 N「ヘリウム、ネオン、アルゴンが検出されました。これらの元素存在比やそれぞれの同位体比は、太陽風に非常に近い値でした。クリプトンとキセノンはブランクレベル(※)と明確な差が検出できず、…

3粒のサンプル

−「ただはやぶさの持ち帰ったサンプルは、予定よりずっと少なかったと聞きます」 長尾教授(以下N)「当初の予定では、はやぶさからイトカワの表面に弾丸を撃ち込み、舞い上がった“砂”を数グラム回収してくるはずでした。ただそれはうまく行かず、微粒子をわ…

「はやぶさ」の持ち帰った宝物(2) 〜長尾敬介教授〜

前回ははやぶさサンプルの取り扱いのお話をいただきました。今回はサンプルの分析についてです。

「はやぶさ」の持ち帰った宝物(1) 〜長尾敬介教授〜

昨年6月、日本の打ち上げた小惑星探査機「はやぶさ」が宇宙から帰還し、大きな話題を集めたことは記憶に新しいと思います。はやぶさは、小惑星「イトカワ」までたどり着いてみごとその微粒子を回収、そして往復60億kmもの旅を終え、大気中に燃え尽きて散りま…

西原 寛教授に、ボルドー第一大学の名誉博士号

西原 寛教授がDoctorate Honoris Causa(名誉博士号)をフランスのボルドー第一大学より授与されました。ボルドー第一大学は1441年にその前身が設立された、伝統ある大学です。本名誉博士号の起源は15世紀末に遡り、フランス・ボルドーのアカデミアへの貢献…

130年目の初対面 〜西原研究室〜

さてここ最近は若手研究者に焦点を当ててご紹介していますが、今回は理学系研究科化学専攻・無機化学研究室(西原研究室)の坂本良太助教、林幹大さん(博士課程2年)に登場いただきます。 坂本助教(左)、林さん(右)・化学の魅力 多くの科学分野では、す…

菅裕明教授、産学官連携功労者表彰

菅裕明教授(理学系研究科化学専攻)が、産学官連携功労者表彰(内閣府主催)において、日本学術会議会長賞を受賞しました。これは大学、公的研究機関、企業等の産学官連携活動において、大きな成果を収め、また、先導的な取組を行う等、産学官連携の推進に…

中村栄一教授、西安交通大学名誉教授就任

当グローバルCOEのリーダーである中村栄一教授(理学系研究科化学専攻)が、西安交通大学の名誉教授に就任することになりました。 中村栄一教授 西安交通大学は中国で最も歴史ある大学の一つであり、同国で7つだけの国家重点大学にも選定されている名門校で…

8/26 1日体験化学教室

26日、理学系研究科化学専攻にて「1日体験化学教室」が行われました。高校生が実際に東京大学に来て各研究室で実験を行うというもので、本物の研究に触れることのできる貴重な機会です。 当日は午前中に長谷川哲也教授の講演でスタート。現在の化学が取り組…

 「天才」電子を手なずける 〜組頭 広志教授〜

若手研究者の育成は、グローバルCOEプログラムの大きな目標の一つです。本拠点からも、優れた若手研究者が次々に巣立っています。以前にこのブログに登場いただいた中からも、内田さやか博士・徐岩博士などが他部局や他大学に栄転しており、独自の研究に取り…

Chem. Asian. J.に化学教室150周年記念号

東京大学理学系研究科化学専攻(化学教室)は、今年2011年に発祥150周年を迎えます。1861年、幕府の命によって九段に造られた「蕃書調所」の精錬方が、化学教室のルーツです。明治維新後、精錬方は幾度かの変遷を経て1877年に東京大学へと統合され、化学教室…

1日体験化学教室

※こちら募集を締め切りました。来る8月27日、理学部化学本館にて「一日体験化学教室」(主催:日本化学会関東支部、共催:東京大学理学系研究科化学専攻)を行います。高校生を対象に、実際に化学の研究室で実験を行い、研究の現場を体験するものです。昨年…

東レ先端材料シンポジウム2011

2011年9月14日(水)、東京国際フォーラム・ホールAにて「東レ先端材料シンポジウム2011」が開催されます。ノーベル化学賞受賞者でフラーレン発見者のHarold Kroto教授, オレフィンメタセシス反応でやはりノーベル賞を受賞したRobert Grubbs教授、iPS細胞の…

相田卓三教授、藤原賞・フンボルト賞を受賞

当GCOEの推進者の一人、相田卓三教授(工学系研究科・化学生命工学専攻)の、第52回藤原賞及びアレクサンダー・フォン・フンボルト研究賞の両賞受賞が決定しました。 相田卓三教授 藤原賞は、王子製紙の社長を務めた藤原銀次郎氏の設立した賞で、「科学技術…

遺伝子の暗号を改造する 〜菅研究室〜

昨年4月より、当グローバルCOEは新しい推進者を迎えています。理学系研究科化学専攻に東大先端科学技術センターより移籍された、菅裕明(すが ひろあき)教授です。この春より研究室全体が本郷に転居し、本格的に始動することになっています。 菅教授の専門…

Organic Chemistry Reference Resolverへリンク設置

管理者よりお知らせ。このブログ右側のリンク集の欄、下から2番目に「Organic Chemistry Reference Resolverへのリンクを設置いたしました。これは論文番号を打ち込むと直接にその論文へとジャンプしてくれるサービスで、「JACS 2010, xxxx」「Chem. Asian J…

「理系白書」シンポジウム

※下記シンポジウムは、定員に達したので募集を締め切りました。3月17日、早稲田大学大隈講堂にて「理系白書『化学の力が世界を変える』」シンポジウムが開催されます(毎日新聞社主催、日本化学会共催)。2010年ノーベル化学賞の根岸英一博士が基調講演、鈴…

2011年日本化学会各賞

2011年の日本化学会各賞が発表され、当GCOEからは小宮山眞・堂免一成の両教授が日本化学会賞を、立間徹教授が学術賞を、所裕子助教が進歩賞を受賞されました。 小宮山眞教授(工学系研究科 化学生命工学専攻)は、セリウムイオンが特異的にリン酸エステル結…

1月26日シンポジウム「My Dream as a Professional II」

先日も予告しました通り、この1月26日に、当GCOE主催のシンポジウム「My Dream as a Professional II」が開催されました。各国からやってきた留学生と、東大の博士課程学生がそれぞれ「プロフェッショナルとしての夢」をテーマに講演・討議を行うというもの…

中村栄一教授インタビュー 〜科学と社会、リスクと進歩〜

2011年に入り、本GCOEの活動も残すところあと1年少々となりました。そこで、当ブログではリーダーである中村栄一教授(理学系研究科化学専攻)にインタビューを行うことといたしました。今回は「科学技術と社会について」というテーマでお話をいただきました…

第4回キャリアシンポジウム「My Dream as a Professional II」

1月26日(水)、東京大学理学部化学本館・5階講堂にて第4回キャリアシンポジウム「My Dream as a Professional II」を開催いたします。当日は各国からきた留学生と、東大化学4専攻の学生の代表が講演・パネルディスカッションなどの形で互いの「プロフェッショ…

明治の恩人たち

東京大学のマークは淡青と黄色のイチョウの葉を組み合わせたものです。実際、構内はイチョウの木が多く、この季節の晴れた日には秋空をバックに、東大マークそのものの美しいコントラストを見せてくれます。 理学部化学東館付近のイチョウ並木 さてこの付近…

相田卓三教授、紫綬褒章を受章

本年秋の叙勲・褒章において、本GCOEの推進者である相田卓三教授(工学系研究科・化学生命工学専攻)が紫綬褒章を受章することになりました。当GCOEからは、岩澤康裕名誉教授(現在電気通信大学教授)・中村栄一教授に続く栄誉となります。 相田卓三教授 相…

根岸英一パデュー大教授、ノーベル賞受賞

本学工学部応用化学科出身の根岸英一博士(パデュー大学 H・C・ブラウン特別教授)が、「パラジウム触媒によるクロスカップリング反応の開発」により、2010年のノーベル化学賞を受賞されました。鈴木章・北大名誉教授と、リチャード=ヘック・デラウェア大名…