大越教授・日本IBM科学賞受賞

 理学系研究科・化学専攻の大越慎一教授が、第23回IBM科学賞を受賞することになりました。「授賞対象者は、物理、化学、コンピューター・サイエンス、エレクトロニクスの基礎科学研究の幅広い分野で優れた活動を行っている、国内の大学あるいは公的研究機関に所属している45歳以下の研究者」に贈られる、若手科学者の登竜門というべき賞です。


大越教授

 大越教授はまだ44歳の若さですが、すでに数々の実績を挙げており、新聞などマスコミへの登場回数も非常に多い研究者です。専門分野は磁性体の研究であり、社会的インパクトの強い仕事を次々と発信しています。

通常、磁石といえばいつでも一定の磁力を持っているというのが常識です。しかし大越研究室ではこれまで、光・湿度・化学的刺激・熱などの刺激によって、様々に磁気的性質を変化させる不思議な磁性体をいくつも世に送り出してきました。
また、最近ではレーダーや通信システム、医療機器などに幅広く用いられる電波である、「ミリ波」を極めて効率よく吸収する材料「イプシロン型‐ガリウム酸化鉄」の開発にも成功しています。ミリ波は通信手段として今後大きな伸びが期待されており、電波の干渉を防ぐ新規材料として広く応用されそうです。

というわけで、大越教授の研究室から次は何が飛び出すのか、今後も楽しみに待ちたいと思います。大越研究室のホームページはこちらから。美しい画像で研究内容が伝えられており、門外漢が見ても非常に魅力的なサイトです。