2010-01-29から1日間の記事一覧

研究の今後

こうした研究がいったいどう役に立つのか?という質問はよくなされるところです。こうしたケイ素をたくさんつないでいくことで、新たな物性が期待できるかもしれない、あるいは高密度の枝分かれを持った新規物質の創製につながるかもしれない――といったこと…

セレンディピティ

実を言えば、この化合物は狙って合成されたものではありません。他の化合物の合成を目指している最中に偶然にできたもので、いわゆるセレンディピティ型の研究に当たります。三宅さんはもともと、全く別の化合物の合成を目指し、その中間体としてケイ素に負…

阿修羅結合

ところが、川島研で今回合成された化合物は、驚いたことに極めて安定であり、水や空気に触れてもびくともせず、100度以上での煮沸や、室温でブチルリチウムを作用させるといった過激な条件にさえ耐え抜きます。 この新規なケイ素-ケイ素結合に対し、川島研究…

マイナスとマイナスをくっつけた話

電気のプラスとマイナスは引き合うが、プラスとプラス、マイナスとマイナスははじき合う――これは小学生でも知っている、自然界の基本中の基本といっていい大原則です。モーターや発電機など、現代文明を支える機械も、この原理によって動いています。しかし…